最終更新日: 2024年10月27日
キュプラの生地に最適な季節はいつ？特徴と取り扱いの注意を解説
「生地にキュプラを使った衣服が最適な季節っていつ？」
「キュプラ生地のブラウス、どうやって洗うと長持ちする？」
スーツやスカートなどの裏地に使われる機会の多いキュプラ。
裏地だけでなく、生地の特徴を生かしてあらゆるアイテムにも使われています。
この記事では、キュプラの生地の特徴やキュプラの服が最適な季節、取り扱いの注意点などを紹介します。
洗い方やお手入れ方法まで知って、お気に入りのアイテムを長く楽しみましょう。
キュプラの生地の特徴
キュプラは人工的に作る、化学繊維の一種です。
キュプラの特徴を知ると、衣服の裏地になぜ使われるのかなどの理由がわかります。
天然原料から作るサスティナブルな生地
キュプラの原料は「コットンリンター」という、綿の種の周りにある短い繊維です。
綿花の長い繊維は綿糸などに使いますが、コットンリンターは使わずに捨ててしまう部分でした。
そのコットンリンターを特殊な溶液で溶かし、繊維に再生してキュプラにする環境に優しい生地です。
高いドレープ性がある
キュプラはドレープ性を持つので、しなやかに体へまとわりつく感じが出せます。
生地にもとから水分を含むためほどよい重みがあり、生地が自然と下へ落ちます。
そのため、とろみのある優雅なテイストのアイテムに最適です。
吸湿性と放湿性を持つ
吸湿性と放湿性の両方を持つので、汗ばむ時期や湿気が気になる季節も、快適に過ごせます。
水分を吸うだけでは生地の湿った状態が続きますが、キュプラは水分を発散でき、さらっとした状態を保ちやすいためです。
触るとひんやりしている
キュプラは熱伝導率が高く、触るとひんやりしています。
熱伝導率が高いほど熱を奪うため、キュプラは体の熱をとって発散し涼しく感じます。
静電気が発生しにくい
キュプラは繊維に水分を含むので、静電気が発生しにくい生地です。
乾燥すると静電気が発生しやすいため、水分がもともとあるキュプラは静電気が起きにくく、衣服の裏地によく使われています。
水に濡れると縮みやすい
キュプラはアイテムによって、水洗い不可の場合があります。
自宅で洗濯可能なキュプラ製品であっても、水に濡れると縮みやすいので、優しく手洗いしましょう。
レーヨンほど大きく縮む可能性は低いものの、大切に着るには洗濯表示を守った洗い方をおすすめします。
キュプラ生地の衣類が最適な季節は？
キュプラの特徴を生かした衣服は、どの季節に用いると最適でしょうか。
この章では、キュプラ製品のよさを生かしやすい季節を解説します。
涼感があり暑い季節におすすめ
触ると涼感があるキュプラ生地なので、暑い時期に最適です。
夏はもちろん、暑くなり始める春から夏、残暑の残る秋の初めにもおすすめです。
ひんやりとした気持ちよさだけでなく、湿気を吸って発散する性質も、汗ばむ季節に向いています。
洗えるキュプラの服は夏にぴったり
キュプラ生地の衣服は、水洗いOKのアイテムも登場しています。
暑い季節のふだん使い用アイテムなら、くり返し洗濯をするので、自宅で洗えると重宝します。
ただし洗濯機で強く洗わず、手洗いを心がけましょう。
キュプラ生地の衣服を扱うときの注意点
何度も快適にキュプラ製アイテムを着るための、扱い方の注意点を説明します。
キュプラ生地の衣服を自宅で洗いたいときなど、以下のポイントを確認しましょう。
洗う前に洗濯表示を確認
キュプラ製のアイテムは水洗いOKのもの、不可のものとさまざまです。
洗う前に洗濯表示を確認し、適した方法で洗いましょう。
水洗い不可の衣服を洗濯機で強く洗うなどすると、風合いを損なうおそれがあります。
キュプラ生地の手洗いに必要なもの
手洗いに必要なものを準備しましょう。
- バケツやおけ（なければ洗面台でもOK）
- おしゃれ着用の中性洗濯洗剤
- 柔軟剤
- 洗濯ネット
- バスタオル
洗濯ネットは目の細かいタイプ、バスタオルがなければフェイスタオルを複数枚用意します。
短時間で低温の水で洗う
キュプラはデリケートな繊維なので、洗濯ネットへ入れた状態で優しく押し洗いします。
水につける時間を短くするため、洗う時間は30秒程度です。
すすぎも含めて、ごく短時間にとどめましょう。
洗いとすすぎに使う水は30度以下の低い温度にし、衣服へのダメージを防ぎます。
脱水と柔軟剤の使い方
すすぎまで終わったあと、洗濯ネットへ入れたまま脱水します。
10秒までにとどめて取り出し、柔軟剤溶液へ10秒程度ひたしたあと、再び10秒脱水しましょう。
残った水分は乾いたタオルで衣服をはさみ、軽く押して吸い取らせます。
自然乾燥させる
キュプラの服は乾燥機を使わず、自然乾燥させましょう。
洗濯表示にある干し方に従い、軽くシワを伸ばして風通しのよい場所で干します。
水洗いできない場合はクリーニングに出す
クリーニングは専用の溶剤を使って優しく洗うため、デリケートなキュプラも品質を損ねず洗えます。
キュプラは乾いた状態では丈夫なものの、水濡れすると弱くなり、破損のおそれがあるからです。
ただし汗など水溶性の汚れは落とせないため、汗抜きもできるか確認してクリーニングに出しましょう。
キュプラ以外で夏におすすめの生地
冷感と吸湿性・放湿性の高さから、キュプラは夏に最適な生地です。
キュプラ以外の暑い季節を快適に過ごせる生地も、あわせて知っておきましょう。
コットン
コットンは吸水性が高く、たくさん汗をかくので夏にぴったりの生地です。
丈夫なため自宅でくり返し洗濯しても問題がなく、耐熱性にも優れているためアイロンも気軽にかけられます。
ただし速乾性は低いため、汗がすぐには乾かず着替えが必要です。
ポリエステル
ポリエステルは、速乾性があり汗を吸ってもすぐに乾くため、快適な状態が続きます。
繊維自体が丈夫なのでくり返しの洗濯にも耐えられ、スポーツウェアなどにも最適です。
ただしにおいがつきやすいため、他の洗濯物からのにおい移りに配慮した洗い方が必要です。
レーヨン
レーヨンは吸水性が高く、べたつきを防いで快適に過ごせます。
消臭効果も高く、汗を吸収しにおいを抑えるので夏にぴったりの生地です。
反面、水に弱く水洗いするとひどく縮むおそれがあります。
リネン
リネンは吸水性と吸湿性に優れており、速乾性も高いため、汗を吸い取ってすぐに乾燥させる性質があります。
耐久性も高いのでくり返し洗濯して着用できるほか、着れば着るほど味が出るところも魅力です。
一方シワがつきやすく、たたんだまま放置するとはっきりシワがつくこともあります。
リヨセル
リヨセルは吸湿性と速乾性に優れており、汗や湿気を吸収するため夏向けの生地です。
絹に似た光沢があり上品な雰囲気を持つ生地なので、暑い時期のおしゃれに適しています。
シワになりやすいため、洗濯や保管には配慮が必要です。
レーヨンとポリエステルについて、こちらの記事で詳しく説明しています。
レーヨンとポリエステルに向いている季節は？特徴の違いについても解説
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まとめ：キュプラ生地のアイテムは暑い季節に最適
さらっとして吸湿性と放湿性の高いキュプラは、夏など暑い時期に最適な生地です。
ドレープ性も魅力なので、暑い時期のおしゃれアイテムに欠かせない素材です。
ただしデリケートな生地なので、クリーニングに出す、または手洗いで優しく素早く洗いましょう。
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