最終更新日: 2024年06月14日
オリジナルTシャツを作るなら知っておきたい著作権と肖像権
オリジナルのTシャツを作るとなれば、どんなプリントにするかというのは悩みどころですよね。
中には、
「有名キャラクターをプリントしたい」
「企業のブランドロゴをプリントしたい」
「好きなロックバンドの写真をプリントしたい」
と考えている人もいるのではないでしょうか?
確かに、自分の好きなものをTシャツにプリントできたら、きっとお気に入りの1枚になるでしょう。
「好きなものをプリントしよう!」と思っている人は一旦ストップしてください。
もしかしたらそのデザイン、誰かの著作権や肖像権を知らずのうちに犯しているかもしれませんよ。
著作権や肖像権という名前は、誰もが聞いたことのあるものです。
しかし、その内容にピンとこないという人も多いかもしれません。
著作権や肖像権は法律でも定められている立派な権利です。
知らなかったではすまされなくなってしまいます。
今回はTシャツを作る前に必ず確認しておきたい、著作権と肖像権について説明していきます。
自分の身を守るためにも知っておくべきお話ですので、Tシャツデザインをしようと思っている人はよく読んでみてください。
そもそも著作権ってなに?
著作権とは、知的財産権の一種です。
著作権法という法律によって文化的な創造物が保護されています。
著作権法で保護される文化的な創造物が著作物であり、著作物を作ってる人が著作者です。
著作物は著作権法によって以下のように定義されています。
「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」(著作権法2条1項1号)
絵や絵画、音楽など、それを作った人の権利を守るためのものです。
著作権は法律で定められている権利のため、著作権を持っている著作者の許可なく複製やコピーをすることは、法律で禁止されています。
著作権の対象となる具体例として、アニメや映画、音楽や絵画など文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものが幅広く含まれます。
これには、著作物のパロディ、オマージュ、盗作、贋作なども著作権侵害の対象になります。
「少し変えたから」
「コピーじゃなく自分で書いたから」
という理由であっても、著作権侵害に当たる場合もあるので注意が必要です。
著作権を犯してしまうと、場合によっては後から賠償請求をされてしまうこともあります。
肖像権にも注意
著作権と同じく、肖像権にも注意が必要です。
肖像権とは、その名のごとく、人の肖像を守る権利です。
他人に自分の肖像を勝手に使われてしまうことを防ぐためのものです。
肖像権には以下の2つの側面があります。
- プライバシー権
写真や動画は個人を特定できます。
そのため、他人に勝手に写真や動画を撮影されないように主張できる権利です。
- パブリシティ権
芸能人やスポーツ選手が持つ権利です。
著名人の場合はプライバシー権だけでなく、財産的価値を持つパブリシティ権も保護される必要があります。
俳優やミュージシャンなどの著名人がこの権利についてニュースになることもあるので、名前だけ知っている人もいるかもしれませんね。
この権利は著名人に限らず、一般の人にも適応されます。
つまり、私たちにも肖像権があるのです。
特に、肖像や名前に経済的な利益を生み出すような有名人には、パブリシティ権があり、厳しく検閲をされていることがあるため、さらに注意が必要です。
肖像権も著作権と同じように、法律で守られた権利です。
犯してしまうと法的な処罰を受けることもあります。
私的利用なら大丈夫なんじゃないの?
金銭のやりとりが発生しない私的な利用であれば、著作権や肖像権の侵害にはならないと思っていませんか?
例えば、自分で使うだけ、家族や友人へのプレゼントという私的利用の場合なら、金銭的なやりとりがないから権利には触れないのではと思いますよね。
厳密に私的利用であれば、著作物を自由に使えるとされています。
ただし、録音や録画などの場合には著作権に補償金の支払いが必要とされています。
さらに、私的利用は非常に曖昧なものというのも事実です。
しかも、著作権や肖像権は、その権利を持っている人の経済的な損失があると判断されれば、権利を侵害したと訴えることができます。
この辺りの法律的な解釈は素人には難しいため、安易に手を出さない方が無難といえます。
つまり、非営利目的かどうかの判断は権利を持つ人の判断によるところが大きく、何かを作り出すときは細心の注意を払う必要があるのです。
もちろん、Tシャツデザインもその範疇にあります。
著作権や肖像権を侵害するとどうなる?
著作権や肖像権を侵害してしまうと、最悪の場合、権利者から法的な対抗措置をとられてしまうことがあります。
この対抗措置は、
- 民事上の対抗措置
- 刑事上の対抗措置
の2つのパターンが考えられます。
権利を犯すと、どのような対応をしなければならないのかをご説明します。
民事上の対抗措置
著作権の権利者は、民事上で4つの措置をとることができます。
それぞれの詳細は以下の通りです。
■差止請求
著作権法112条によると、著作権を持っている権利者は、権利を侵害する恐れのある人に対して差止請求をすることができます。
もしも、許可なく著作権を侵害したTシャツを作って売ってしまっていた場合、そのTシャツを回収する義務が課せられます。
■損害賠償請求
民法709条によると、著作権侵害をした場合は損害賠償請求ができるとされています。
その場合、具体的な損害額を立証することなく、複製物の数量、利益の額から推定して賠償額を設定できます。
■不当利得返還請求
侵害者が著作権を侵害しているものによって利益を得ている場合、その利益を著作権を持っている権利者に返還するよう請求することができます。
返還を求めることができる金額は、著作物と知った上で複製したかどうかによって変わります。
まず、著作物を複製したという認識がなかった場合、複製したもので得た利益の手元に残っている分を、権利者に返還する必要があります。
著作権を犯しているという認識があった場合はさらに重くなります。
複製物で得た利益全額と、その利益に利息を付けた金額を権利者に返還しなければなりません。
■名誉回復等の措置請求
権利者は、侵害者に名誉を回復するための措置を請求することができます。
例えば、新聞などに謝罪広告を載せるということなどもあり得ます。
刑事上の対抗措置
著作権を持っている権利者の判断によっては、民事よりも重い、刑事上の対抗措置を取られてしまう場合もあります。
著作権の侵害を犯してしまうと、原則として10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金という罰則に処せられる場合があります。
しかも、どちらか一方というわけではなく、懲役と罰金の両方を科されることも。
侵害者が法人の場合はさらに重たい3億円以下の罰金という罰則になります。
これは誰が著作権を持っている作品なのかを知っているかどうかは関係なく、権利者がいるということを認識していれば罰則の対象となります。
誰かが作ったものだけど、Tシャツにプリントするくらいいいだろうという認識でいると、著作権の侵害で訴訟を起こされてしまう可能性があります。
「自分でデザインできるか不安だから有名ロゴを使いたかったのに…」という人もいますよね。
ですが、著作権侵害をしてトラブルになるのは避けたいところです。
以下のコラムでは自分でデザインするコツを紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
プロに学ぶオリジナルTシャツデザインのコツ!デザイン例もご紹介
著作権に対するTシャツ業者の対応は?
オリジナルTシャツを作る場合にも著作権や肖像権の侵害の危険性があります。
この権利のことをよく知らずに、人のデザインを模したプリントTシャツを作ってしまうと、著作権の侵害として訴えられてしまうことも。
著作権や肖像権の対応はTシャツ業者によって多少のばらつきがあります。
完全なコピーはできないけれど、パロディなどのプリントはできるという場合もあります。
しかし、パロディであっても著作権を侵害する可能性があり、侵害したと判断された場合は、デザインをした者の責任となってしまいます。
そのため、私たちがしっかりと著作権や肖像権について理解しておく必要があります。
ユニクロカスタマイズの対応
著作権や肖像権についてわからなくなってしまったら、プリントTシャツにおける著作権の対応が明記されているユニクロカスタマイズの注意書きを参考にしてみるといいかもしれません。
ユニクロカスタマイズは、ユニクロの商品にオリジナルプリントを施し、自分だけのアイテムが作れるサービスです。
このサービスでは、プリントデザインに検閲をかけています。
検疫の結果、問題があると判断されたものに関しては、注文のキャンセルを行っています。
キャンセルとなる場合は下記のような場合です。
・著作権や肖像権、商標権、意匠権、その他の法的な権利を侵害していると判断されるデザイン。
例えば、画像や文言から、著名人や有名人、作品の特定ができるもの
・公序良俗に反していると判断されるデザイン
・第三者に不快感を与えると判断されるデザイン
具体的な例としては
・アイドルグループや、そのメンバーの画像、名前、イベント名、ロゴが入っているもの
・映画やアニメ、ゲームなどの作品名やロゴ、キャラクターが入ったもの
・アーティストの作品の画像、ジャケットなどや作品名、歌詞などが入っているもの
このようなものは個人利用であっても、注文はキャンセル扱いになると明記されています。
Tシャツデザインに困ってしまったらUP-Tへ!
著作権や肖像権をよく知ると、既存のロゴやキャラクターをTシャツデザインに用いる危険性がよくわかりますね。
しかし、選択肢が狭くなってしまい、デザインに困ってしまったと思っている人もいるかもしれませんね。
そんな場合はUP-Tに相談してみてはいかがでしょうか?
UP-Tでは
・簡単デザインツール
・デザイナーへの委託
の2種類のサービスで、オリジナルTシャツ作りをサポートしています。
デザインが思いつかないという人でも、簡単にオリジナルのデザインを作ることができますよ。
■簡単デザインツール
UP-Tの簡単デザインツールは誰でも簡単にオリジナルデザインを作ることができます。無料デザインには
・スタンプ
・テキスト挿入
・画像の挿入
・手書き機能
など、様々な機能が搭載されています。
それらを組み合わせることで、簡単にプリントデザインを作ることができるのです。
■デザイナーに委託
「自分でデザインを作るのは面倒」
「オリジナルのデザインを作るのは自信がない」
そんな場合はプロのデザイナーに委託するという手段もあります。
ざっくりとしたイメージを伝えるだけで、ラフデザインを制作してくれます。
しかも、1営業日で確認ができるので非常にスピーディーです。
修正も2回まで対応可能です。
まとめ
著作権は、特許や商標登録とは異なり、ものを作り出した人であれば、著作権は誰でも主張できる権利です。
特別な手続きを踏まずとも、誰でも持つことができる権利が故に、軽く考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、場合によっては大変な処罰を受けることにもつながってしまいます。
しっかりと理解をした上で、Tシャツのプリントデザインを考えたいですね。
もしも、デザインに困ってしまったら、UP-Tにご相談ください。
無料で使える簡単デザインツールやプロのデザイナーへのデザイン委託など、Tシャツ作りのお悩みを解消できるサービスが充実していますよ。
即日!格安に1枚からオリジナルTシャツを作成するならUp-Tがおすすめ!