最終更新日: 2024年07月04日

著作物をデザインしたTシャツは販売時の許可が必要!ケース別の詳細解説


誰かが作成したデザインやキャラクターを無断利用するのは著作権侵害です。
著作物を無断で利用し、著作者から告訴された場合懲役刑などが科される可能性があります。

今回はオリジナルTシャツ販売時に焦点をあて、どのような時に著作権侵害となるか解説していきます。
また、著作物の利用許可を得る方法も紹介するので、オリジナルTシャツ販売を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

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他人の著作物を印刷したTシャツを販売するには許可が必要!


他人の著作物が印刷されたTシャツを販売するには、その著作物を創作した「著作者」から利用の許可を得る必要があります。
許可を得ずに無断で使用した場合は「著作権侵害」となり、著作者が告訴すると最悪の場合懲役刑や罰金刑が科される場合があります。
自分の身と著作物、そして著作者の利益を守るための著作権を侵さないためにも、販売時は特に注意しましょう。

オリジナルTシャツを作る際に好きなブランドやキャラクターデザインの使用を考える人は多いですが、自由利用が許されていない限りどんな目的であっても基本的には許可を得なければなりません。

そもそも著作物とは?

著作物とは以下の定義を満たしているもののことを言います。
【思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術、または音楽の範囲に属するもの】

他の誰かが作成したものを参考にしたり、模倣したりせず、自らの考えなどをオリジナルの言葉や絵、音楽として表現したものが著作物です。

上記の条件を満たしてさえいれば、幼児が書いた落書きにも著作権が発生し、著作物となります。
すべての著作物は、利益を生み出すビジネス目的での利用以外にも、日本の文化の発展に欠かせないものの一つとして守られる必要があると考えられています。

そのために生まれたのが著作権であり、誰であってもこれを侵害することは許されていません。


ちなみに、侵害してはいけない権利として著作権以外にも肖像権というものがあります。
以下のコラムでは肖像権についても解説しているので、あわせてチェックしてみてくださいね。
オリジナルTシャツを作るなら知っておきたい著作権と肖像権


 

オリジナルTシャツ販売時に許可が必要なケースとは?


オリジナルTシャツ販売を行う際は、許可が必要なケースとそうでないケースがあります。
著作物を取り扱う場合は総じて著作者の許可を得る必要がありますが、より詳細なケースを想定して解説していくので、オリジナルTシャツ作成前に一読していただけると幸いです。

  1. 自分で創作したオリジナルデザインなら自由に販売可能
  2. 著作物をデザインしている場合は必ず許可が必要
  3. 写真を印刷している場合も注意
  4. 著作物をコピーして配布する場合も許可が必要

自分で創作したオリジナルデザインなら自由に販売可能

1例目は、自分で創作したオリジナルデザインが印刷されたオリジナルTシャツを販売する場合です。
自ら創作したデザインの著作者は自分なので、販売時の許可はもちろん必要ありません。

しかし、オリジナルデザインが二次創作やパロディ作品の場合は、注意が必要です。
元々著作権侵害は著作者が訴えを起こさなければ起訴されない親告罪でしたが、平成30年の著作権法改正にて条件を満たした場合は非親告罪となり、起訴される可能性が生まれました。

二次創作やパロディ作品でも、実際に販売を行うと著作者の利益を害する場合があるため、双方のリスクを抑えるためにも許可を得てから販売を行うことをおすすめします。

著作物をデザインしている場合は必ず許可が必要

2例目は、オリジナルTシャツに著作物をデザインしている場合です。
デザインに他人の著作物を利用している場合は必ず著作者の許可を取らなければなりません。

他人の著作物利用時に許可を得るのは、著作物そのものを守るだけでなく、著作者や著作者の利益を守るためにも必要不可欠です。
実際に、著作者の利益を保護する「著作者の人格権」という法律も存在するため、これらを侵害しないためにも、著作物の無断使用は控えるようにしましょう。

有名なキャラクターやグループ名は、それを生み出した企業がすでに商標登録を行っている可能性があります。
特許庁に商標登録された文字や記号などは商標権によって他社による使用が禁じられ、権利者ではない人・企業が無断で利用すると「商標権侵害」となります。

商標登録済みの文字や記号を利用する場合は、権利者と利用するための契約を結び、利用料などを支払わなければなりません。
商標権侵害は最悪の場合刑事罰が科されることもあるため、著作権と同様に商標権を侵害しないことも念頭に置いておくことが重要です。

写真を印刷している場合も注意

3例目は、オリジナルTシャツのデザインが写真の場合です。
デザインと同様に、写真にも著作権が存在します。
そのため、著作者の許可を得なければ商用利用はできません。

また、WEB上では無料で利用できるフリー素材などが配布されていますが、こういった写真も利用制限がまったくないわけではありません。
加工が禁止だったり、二次配布が禁止だったりと、それぞれの配布サイトや写真ごとに利用ルールは違います。

商用利用が不可能な場合は、Tシャツのデザインにして販売することもできないので、予め利用規約を読み込んでおき、トラブルを未然に防げるようにしましょう。

自ら撮影した写真の著作物は自分なので、オリジナルTシャツのデザインにしてそれを販売することも自由に行えます。
しかし、写真に他人が写っている場合は注意が必要です。

他人が写っている写真をTシャツのデザインにして販売すると、写っている本人の肖像権を侵害してしまう可能性があります。
肖像権は自分の顔や姿を勝手に撮影されない、そしてその写真を勝手に利用・公表されない権利です。

意図的に撮影したものではなかったとしても、本人の撮影・公表許可を得ずに販売した場合は肖像権侵害になる恐れがあるので利用時には細心の注意を払うようにしましょう。

著作物をコピーして配布する場合も許可が必要

4例目は、著作物をコピーして配布する場合です。
作ったオリジナルTシャツをノベルティとして配布したいと考えている方も少なくないと思います。

著作物がコピーされているものは、販売時だけでなく配布する際も著作者の許可を得なければなりません。
無償でも有償でも、他人の著作物を私的利用の範疇を超える形で利用する場合は、必ず正しい順序を踏んで利用することが大切です。

 

多くの業者は著作物の印刷を受け付けていない


ここまでは、オリジナルTシャツ販売時に許可が必要なケースを紹介しました。
許可さえ得られれば、著作物を印刷したオリジナルTシャツを販売することも不可能ではありません。

しかし、実際に販売を行うのはかなり難易度が高いのも事実です。
著作者からの許可が下りないという問題もありますが、一番の理由は「オリジナルTシャツ制作業者の多くは著作物の印刷を行わない」という点にあります。

業者に制作依頼をしても、販売の可能性がある著作権侵害や商標権侵害になる可能性があるデザインの印刷は基本的に断られるのが一般的です。
仮に可能だったとしても、ほとんどの場合は著作者などから許可を得た書面を提示できる場合のみに限られていたり、その後の責任は一切負わないということがほとんどです。UP-Tでも利用規約などで縛っています。また、2月現在では画像の全数チェックも行っております。

著作物を利用することはリスクが高い行為でもあるため、バレなければ良いというような考えはせず、必ずルールを遵守して販売を行うようにしましょう。

 

著作物を印刷したTシャツの販売許可をもらうには?


著作物を印刷したTシャツの販売許可をもらう方法について紹介します。
許可を得るにはさまざまな方法があるため、著作者に配慮した形を選べるようにしましょう。

  1. 著作物の利用許諾は口頭でも受けられる
  2. 著作権管理団体と契約する

それぞれ紹介します。

著作物の利用許諾は口頭でも受けられる

著作物の利用許可を得る1つ目の方法は、著作者と口頭で契約を交わすことです。
実は、著作権の利用許可は口約束でも効力を発揮します。
書面にて契約を交わさなくとも、著作者から利用の許可さえ得られれば著作物の利用が可能です。

ただし、この方法では後々トラブルが発生する可能性も考えられます。
水掛論へ発展することを防ぐためにも、できれば契約書を作成していつでも契約内容を確認できるようにしておくことが良いでしょう。

比較的簡単な方法ではありますが、リスクを抑えたい場合は口頭での契約は慎重に行うようにしてください。

著作権管理団体と契約する

著作物の使用許可を得る2つ目の方法は、著作権管理団体と契約することです。
著作権管理団体とは、著作物の複製等に関する権利を集中管理している団体で、日本ではJRRC(JAPAN REPRODUCTION RIGHTS CENTER)が代表的です。

このように、数多くの著作物を管理している著作権管理団体と契約すると、オリジナルTシャツに利用したい著作物の利用許可をより簡単に得られる可能性があります。
著作者を探すのが困難な時などは特に有効的です。

とはいえ、利用したいデザインなどがそもそも登録されていないことも考えられるので、公式ホームページの検索機能による下調べなどは必ず行ってから利用しましょう。

 

オリジナルTシャツはルールを正しく守って販売することが重要


今回は、オリジナルTシャツ販売時に重要な著作物の利用許可について解説しました。
好きなデザインを自作のオリジナルTシャツにも利用したい気持ちは理解できますが、それを販売する場合は法律で定められたルールを守らなければなりません。

著作物や著作者の利益を保護し、不当な利用によって文化発展を妨げないためには、一人ひとりが正しい順序を踏むことが必要不可欠です。
著作権や商標権といった基本的なルールは必ず知っておき、自らがトラブルの種にならないよう注意しましょう。

 

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監修:丸井織物プリント品質管理部門 宮本智行
監修者情報:丸井織物株式会社プリント品質管理部門
オリジナルプリント業界初のISO9001取得企業
弊社、丸井織物株式会社は、オリジナルTシャツプリント会社としては初の品質管理マネジメント・ システムISO 9001、環境マネジメント・システム ISO 14001の取得企業です。
また、継続的な品質管理と人体・環境への配慮を重視したマネジメントシステムにてPDCAサイクルを回しています。技術として最高峰の TPM優秀賞も受賞。
一般社団法人オリジナルTシャツ協会にも加入しております。
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