最終更新日: 2024年06月27日
シルクスクリーン印刷でトートバッグを自作しよう!どんなデザインも自由自在に
印刷方法の一つであるシルクスクリーン。
自宅でもお店のようなデザインを入れられて、自作トートバッグを制作するのにも大変役立ちます。
工夫次第でどのようなデザインでも綺麗に入れられるので、趣味や販売目的で行っている方も実はたくさんいるんです。
今回はそもそもシルクスクリーンについての説明と、必要なアイテムと工程を紹介していきます。
一度始めたら虜になってしまうかもしれませんよ。
シルクスクリーンってなに?トートバッグの自作ができるの?
なかなか聞きなれないシルクスクリーンという言葉。
実は数ある印刷方式の一つで、「孔版印刷」というジャンルに当てはまる印刷方式です。
Tシャツやトートバッグ、ポーチなどに施されているデザインは、このシルクスクリーンによって印刷されていることも多く、実はとっても身近な存在なんですよ。
印刷と聞くと個人で取り組むのは難しそうに思えてしまいますが、特別たくさんのお金を用意をする必要もないため、誰でも挑戦できるのがシルクスクリーンの良いところでもあります。
シンプルな印刷方法ながらも、奥深くて幅広いデザインを印刷できるので、特にオリジナルのトートバッグを自作してみたい方にはおすすめです。
さて、シルクスクリーン印刷では、細かい孔(あな)が空いたメッシュを貼り付けた「版」が主役となります。
簡単な説明にはなりますが、トートバッグなどデザインを入れたいアイテムの上に置いた版にインクを塗ると、版のメッシュ部分からインクが漏れ出してアイテムに付着します。
メッシュのデザインの部分だけに穴を開けておき、インクがデザインの形のまま漏れ出すようにしておくことでアイテムにスタンプを押したような状態になるということです。
シルクスクリーンに必要なアイテム一覧!
シルクスクリーンの簡単な説明を終えたところで、ここからはシルクスクリーンに必要なアイテムを紹介していきます。
特別な機械などは用意しなくても、画材屋さんや100円ショップでアイテム一式を揃えることが可能です。
最初のうちは失敗を重ねてしまうと思うので、安価なものでどんどん練習していきましょう。
- 木枠
- スクリーン
- OHPフィルム
- 専用インク
- スキージ
- タッカー
- ダンボール
- ライト
- マスキングテープ
- ドライヤー
- アイロン
1つずつ紹介します。
木枠
シルクスクリーンに必要な1つ目のアイテムは、木枠です。
版を作る枠となります。
本格的に行う場合は、更に大きな木材や鉄、プラスチックなどを使用して版の枠を作成しますが、初めての場合は100円ショップなどで販売している額縁やフォトフレームで問題ありません。
希望のサイズの木枠を用意してください。
スクリーン
シルクスクリーンに必要な2つ目のアイテムは、スクリーンです。
おすすめは、株式会社ホリゾンの「TシャツくんJr.」という商品です。
このメッシュに紫外線が当たると、メッシュ部分に塗られている感光乳剤が固まり、デザイン部分のみからインクが出るようになります。
OHPフィルム
シルクスクリーンに必要な3つ目のアイテムは、OHPフィルムです。
トートバッグに入れたいデザインは、プリンターを使ってこのフィルムに印刷します。
プリンターがない場合には黒の油性ペンでデザインを描画しましょう。
描画したデザインがそのままプリントされます。
専用インク
シルクスクリーンに必要な4つ目のアイテムは、専用のインクです。
スクリーンにTシャツくんを使用する場合には、Tシャツくん専用のインクを購入する必要があります。
いろいろなカラーがあるので、入れたいデザインに合う種類を選んで購入してください。
スキージ
シルクスクリーンに必要な5つ目のアイテムは、スキージです。
スキージとは、お菓子を作る際に使うヘラのようなもので、版に落としたインクを伸ばすのに使います。
これも100円ショップに販売しているようなものでOKです。
タッカー
シルクスクリーンに必要な6つ目のアイテムは、タッカーです。
あまり聞きなれないかもしれませんが、大きなホッチキスみたいなものです。
版とスクリーンをしっかり固定するために使用します。
通常のホチキスでも代用できないことはありませんが、スクリーンが木枠からずれてしまうとデザインもずれてしまうため、タッカーを使ったほうがデザインを入れる成功確率も高くなります。
ダンボール
シルクスクリーンに必要な7つ目のアイテムは、ダンボールです。
スクリーンに紫外線が当たるとメッシュが固まってしまいインクが落ちなくなってしまうため、ダンボールで暗い空間を作ってフィルムに印刷したデザインをスクリーンに写します。
デザインの大きさによってダンボールの大きさも変えるようにしてください。
いらなくなったものやスーパーで自由にもらえるようなもので問題ありません。
ライト
シルクスクリーンに必要な8つ目のアイテムは、ライトです。
ダンボール内にある、OHPフィルムを上から重ねた状態のスクリーンを照らしてメッシュを固まらせる際に使用します。
LEDライトではなく、紫外線を発するものにしてください。
安心してください、UVライトは100均で売っています。
サイズはデザインの大きさによって変える必要がありますが、練習段階で小さなデザインしか入れない際はライトのサイズも大きくする必要はありません。
マスキングテープ
シルクスクリーンに必要な9つ目のアイテムは、マスキングテープです。
マスキングテープを木枠とスクリーンの間に貼り付けることで、想定外の箇所からインクがはみ出ることを防止します。
こちらも100均でたくさんの種類のマステが販売されていますね。
ドライヤー
シルクスクリーンに必要な10個目のアイテムは、ドライヤーです。
トートバッグに印刷したインクを乾かすために使用します。
普段使いのドライヤーで問題ありません。
アイロン
シルクスクリーンに必要な11個目のアイテムは、アイロンです。
トートバッグに印刷したデザインをドライヤーで乾かしたあと、インクを熱で定着させるために使用します。
こちらも普段使用しているアイロンで問題ありません。
文房具一式
上記のアイテムに加えて、文房具一式も用意するようにしましょう。
- ハサミ
- カッター
- ペン
- 定規
- セロハンテープ
- ガムテープ
これらがあれば心配ないでしょう。
トートバッグ(最初は100円ショップのものがおすすめ)
最後はデザインを印刷するトートバッグです。
最初は印刷を失敗する可能性が高いため、100円ショップに販売している無地のトートバッグを何個か購入してきて練習することをおすすめします。
ちなみに制作した版は破れない限り何度でも使えるので安心して練習を重ねましょう。
シルクスクリーンの一連の流れ!こうやってトートバッグに印刷します
用意するアイテム数はかなり多くなってしまいますが、どれもすごく高価というわけではないので、100円ショップなども活用しながら集めてみてください。
ここからは、シルクスクリーン印刷の流れについて紹介します。
はじめのうちはうまく印刷できないことばかりかもしれませんが、経験を重ねていくと綺麗にインクが落ちるようになり、感動するくらいの仕上がりとなっていきます。
めげずに辛抱強く続けていきましょう。
- トートバッグに入れるデザインを決めて、OHPフィルムに印刷する
- ダンボール上部にライトがぴったり入るくらいの穴を開ける
- スクリーンの中心に印刷したOHPフィルムを重ねてテープで固定
- ダンボールにスクリーンを入れてライトを設置
- 取り出したスクリーンをタッカーで木枠に固定
- 木枠に固定したスクリーンを水で洗い流す
- デザインが浮き出たら乾かす
- 木枠とスクリーンの間にマスキングテープを貼る
- トートバッグのデザインを入れたい部分に版を置く
- 版の上部にインクを乗せてスキージで下へ伸ばす
- 版を離してデザインを確認したあとドライヤーで乾かす
- 十分乾いたらアイロンで圧着させる
【注意点】
スクリーンは3番の作業を行うギリギリまで袋から出さないようにしてください。
紫外線に当たると感光乳剤が固まりだして失敗の原因となります。
作業を行う部屋はカーテンを閉めるなど、できるだけ暗い環境を作れるようにしてください。
それでは詳しく説明していきます。
トートバッグに入れるデザインを決めOHPフィルムに印刷する
インクジェットプリンターを使用して好きなデザインをOHPフィルムに印刷します。
プリンターがない場合には油性の黒ペンでデザインを書き、インクを落としたいところ(デザインを入れたいところ)はしっかり塗りつぶすようにしてください。
フィルムが透けている箇所にはインクは落ちません。
ダンボール上部にライトがぴったり入るくらいの穴を開ける
ダンボール上部にライトがぴったり入るくらいの穴を開けます。
ハサミ、定規、ペンを使用し、ライトを入れたときにできるだけ隙間がないようにしてください。
スクリーンの中心に印刷したOHPフィルムを重ねてテープで固定
ここでスクリーンを袋から取り出し、デザインを印刷したOHPフィルムをセロハンテープで中心に貼り付けます。
この作業が終わったら素早く4番の作業も終わらせてください。
ダンボールにスクリーンを入れてライトを設置
OHPフィルムを貼り付けたスクリーンをダンボールのなかにいれ、フタを閉めてガムテープでとめます。
13ある作業工程のなかでも、版にライトを当てるこの作業が一番重要で難易度が高いとされています。
露光時間が短すぎると感光乳剤が固まらずインクがドバドバ落ちてしまいますし、長すぎるとデザイン部分の乳剤まで固まってしまう可能性があります。
2分という人もいれば8分という人もいるため、ここは経験を重ねてベストなタイミングを掴むしかありません。
トライ&エラーを繰り返すのみです。
取り出したスクリーンをタッカーで木枠に固定
露光を終えて取り出したスクリーンをタッカーで木枠に固定して版を制作します。
スクリーンがよれてしまわないようしっかり押さえながらタッカーを打ち込んでください。
スクリーンがたるんでいると綺麗にインクが落ちずデザイン入れの失敗の原因になります。
木枠に固定したスクリーンを水で洗い流す
5番を終えたら、スクリーンを水で洗い流していきます。
4番での露光が成功していれば、スクリーンを水で洗い流すことで綺麗にデザイン部分の感光乳剤が落ちてデザインが浮き出てきます。
デザインが浮き出たら乾かす
6番を終えたらドライヤーで乾かしてください。
木枠とスクリーンの間にマスキングテープを貼る
木枠とスクリーンを固定しても接着部分からインクが漏れ出てしまう可能性があるため、マスキングテープを貼ります。
四角になるよう貼り付けてください。
トートバッグのデザインを入れたい部分に版を置く
トートバッグのデザインを入れたい位置に版を置きます。
版の上部にインクを乗せてスキージで下へ伸ばす
版の上部(長方形の上辺より少し下辺り)に、横にまっすぐインクを伸ばします。
インクは多少多いほうがしっかりデザインが印刷されます。
伸ばしたインクをスキージを使って下に移動させていき、デザイン部分にインクを浸透させてください。
版を離してデザインを確認したあとドライヤーで乾かす
デザイン部分にインクをしっかり浸透させたのを確認し、トートバッグから版をゆっくり剥がしてください。
印刷されているデザインにドライヤーを当てて、しっかり乾かしていきます。
十分乾いたらアイロンで圧着させる
十分乾いたのを確認したら、デザインにアイロンを当ててしっかり圧着させます。
中温のアイロンで約2分程度行ってください。
シルクスクリーンで自作トートバッグを作る!経験を重ねて唯一無二のデザインを
今回は、シルクスクリーンでデザインを印刷し、自作トートバッグを作る方法を紹介しました。
用意するアイテムも行う工程も多くはありますが、複雑なことはしません。
版にライトを当てる時間や使うインクの量などは、経験を重ねて適切な答えを自分で見つけ出していくのが印刷を成功させる鍵です。
満足のいくデザインを入れてお気に入りの自作トートバッグを作るためにも、挑戦を続けてみてください。
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どうしても難しい場合には注文で自作トートバッグを制作するのもおすすめ
誰でも挑戦できるシルクスクリーンですが、成功させるのは決して簡単ではありません。
そのため、途中で諦めてしまう方も少なくはないでしょう。
そういった場合は、オリジナルのトートバッグの制作を行っている業者に依頼してみるのも一つの手です。
Up-Tでは、お客様が入れたいデザインを忠実に印刷し、世界に一つだけのオリジナルアイテムを制作します。
使いやすいデザインツールの提供や、デザイナーによるデザイン起こしサービスなども行っているので、ぜひ気軽に制作を検討していただけますと幸いです。
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