プリント工場の秘密をのぞき見。エプソン・ガーメントプリンター「SC-F2000R」

プリント工場の秘密を のぞき見

Up-Tで実際に使用されている
プリンター「SC-F2000R」とは?!

Up-Tプリント工場がOGBSマガジンに掲載されました!

OGBS

OGBSとは「オーダーグッズビジネスショップ」の略で、印刷、印章、スタンプ、メモリアルグッズ、レーザー加工、ウエアプリントなど様々な加工グッズを取り入れて多角化した、新時代のマルチ加工ショップのことを指します。

そんな「オーダーグッズビジネスショップ」の専門情報を発信しているのがこの『OGBSマガジン』なのです!そしてなんと!

その『OGBSマガジン Vol.52』にUp-Tのプリント工場が掲載されました!実際に使用されているプリンターの情報や普段見ることのできない工場の写真等が掲載されているのですが、今回は特別にその内容をガッツリ抜粋してご紹介いたします!
※以下『OGBSマガジン』より抜粋

15台のSC-2000Rで作る高効率&高生産プリント工場の秘密

石川県・能登に本社を置く丸井織物株式会社は、1937年創業。伝統工芸品である「能登上布」の製造から始まり、現在ではポリエステルタフタ素材の分野で全国1位のシェアを誇るまでに成長。アウトドア、アパレル、スポーツウエアなどの衣料用織物の他、炭素繊維や生分解性繊維、自動車のエアバッグ生地などの産業資材用織物も手がけている。

数年前からIT事業にも進出。メッセージアプリ用「スタンプ」を製作代行する「スタンプクリエーション」をリリースしている。 IT事業の一環として2015年から始めたのが、オリジナルTシャツ販売サイト「UP ―T(アップティー)」。

3営業日出荷、1枚でも送料無料、「白Tシャツに1ヶ所プリントで2000円」という明快な価格設定が人気を博し、サイトオープンからわずか2年で月間1万8000面(繁忙期)をプリントするほどに成長した。

大型機より15台のSC-F2000Rを選んだ理由

この「UP―T」を支えているのが、エプソンのガーメントプリンター「SC ―F2000R」だ。優れたインクの発色性で、写真画像や繊細なグラデーションを鮮明に表現できるのが特長。白インクの廃棄量を約 35 %削減する洗浄キットを搭載し、コストを抑えたプリントが出来るのも特徴。「UP ―Tのスタート当初、SC―F2000Rは1台だけ。常駐スタッフもおらず、注文は1日 10 枚前後。それが溜まるとまとめてプリントする、というレベルでした」と、同社技術部部長、デジタルプリント課課長の角口正浩氏。

様々なウエアプリント手法がある中、サイト開設時からガーメントプリンターを導入した理由は、「自社で一貫して企画から製造、販売することでコストダウンを図れると考えたからです」。 数あるメーカーの中からエプソンの「SC― F2000R」に決めた理由は、「大型機と比べてオンデマンドに適しているプリンターだと考えた。小回りが利いて使いやすいことを評価しました」。

「UP ―T」が躍進を始めたのは昨年4月頃から。WEB上での広告展開やSEO対策でアクセスが伸び、注文が増加した。「注文は全てSC ―F2000Rでプリントしていたので、1台では足りなくなり、そこから追加導入を重ねた結果、今では計 15 台になりました」(角口氏)。

ここで疑問が沸き起こる。生産性を上げるだけなら、海外製の大型ガーメントプリンターでもよかったのではないか……。しかし、「もちろん海外製も検討しました。しかし、サポートの事などを考えると、日本のメーカーであるエプソンがいいと判断した」。

15 台のSC―F2000Rは5人のオペレーターが操作する。そのうち 12 台が濃色ボディ用、3台が淡色ボディ用。前処理工程を行う専属のスタッフも3人設置。プリントからコンベア乾燥機、出荷まで一気にできる体制を整え、完成したのが高効率、高生産のウエアプリント工場だ。

image description

コンベア式のオーブンは3台。そのまま検品、梱包、発送 できるように、配置を工夫。自動前処理剤塗 布機3台と乾 燥用の熱プレス機をセットにしてコンベアの横に配置して いる。

image description

壁の端から端までSC-F 2000Rがズラリと並ぶ光景は圧 巻。 ここまでガーメ ントプリンターを所有しているプリント工 場は珍しい。 日本トップクラスと言えるだろう。

image description

ボディに貼られた QRコードを読み取ると、SC-F2000 Rの右上に設置 されたモニターにプリントデザインが表示 される。

デザインからプリント、 発送までを効率化

「UP-T」は注文を実にシステマティックに処理する。WEB上からお客が注文する際は、同社オリジナルのデザインツールでお客自らがデザイン。注文が確定後、デザインデータがプリント工場に送られ、1台のパソコンから 15 台のSC-F2000Rにデータが割り振られる。その際にQRコードのラベルが発行され、前処理済みボディの、プリントする箇所に貼付。

SC-F2000RのオペレーターがバーコードリーダーでQRコードを読み取ると、モニターにプリントデザインが表示される。プリント位置を調節してプリント開始。プリント終了後は背後のコンベアに載せてインクを乾燥、それを別のスタッフが受け取り、検品後、梱包して発送する。SC-F2000Rにはボディがセットしやすい位置決め治具が取り付けられている他、首元からプリント位置を決めるための物差がすぐ手の届く場所に置かれ、オペレーターが無駄なく、高効率で仕事が出来る工夫がされている。

「開発キットをエプソンから提供してもらい、SC-F2000Rと連動できるようにソフトを作りました。まだまだ効率化できる部分があるので、改善を重ねていきたい」(角口氏)。実は、同社の「効率化」は、織物メーカーとしていち早くコンピューターネットワークを活用してきた経験があるからこそ。今後は前処理剤の塗布から折り畳み、梱包までを自動化するオートメーション工場を目指すと言う。効率化で事業拡大してきた同社を、今後もSC-F2000Rが支え続ける。