最終更新日: 2024年10月13日
ポリエステルと綿の混紡素材とは?それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説
ポリエステルや綿は、私達の暮らしになくてはならない衣類の代表的な素材です。
これらの素材同士を組み合わせる「混紡」により、さらに着心地がよく機能的な衣類を作れます。
この記事では、ポリエステルと綿の混紡素材について、それぞれの特徴を踏まえて詳しく解説します。
混紡素材とは?
「混紡」とは、字面の通り「混ぜて紡いだ」素材のことです。
2種類以上の異なる繊維を混紡してできた糸を「混紡糸」、混紡糸を織ったり編んだりして作った生地は「混紡生地」と呼ばれます。
この記事では化学繊維であるポリエステルと天然素材である綿の混紡素材について解説しますが、混紡の組み合わせはこの限りではありません。
天然素材同士である綿と麻の混紡(コットンリネン)や、ポリエステルとレーヨンなど化学繊維・合成繊維同士の混紡もよく見られます。
いずれの場合も混紡の割合によって生地の質感や特性が変わるため、用途に応じてさまざまな生地が作られています。
ポリエステルと綿の混紡素材は、T/Cと表記されることも多いです。
Tはテトロン(ポリエステル繊維を開発した帝人と東レの共同商標)、Cはコットンの頭文字を取っています。
ポリエステルの高い機能性を備えたコットンとして、「テクニカルコットン」と呼ばれるケースもあります。
ポリエステル素材の特徴
ポリエステルには、通気性・形状保持性・虫害の受けにくさなどのメリットがあります。
それぞれの特徴について詳しくみていきましょう。
速乾性
ポリエステルは、吸収した水分を素早く乾かすことができる速乾性に優れた素材です。
もしたくさん汗をかいてもすぐに乾くのでベタつかず、さらりとした着心地を保てます。
形状保持性
ポリエステルはシワになりにくく、形状保持性の高い素材です。
頻繁に洗濯を繰り返す場合も形崩れを起こしにくいのでお手入れがしやすいというメリットがあります。
虫害を受けにくい
ポリエステルは虫害を受けにくい素材です。
綿などの天然素材は保管しているときに虫に穴を開けられるリスクがありますが、ポリエステルは石油を主な原料とする繊維ですので虫に狙われにくくなっています。
肌ざわりが悪い
ポリエステルは、天然素材である綿などと比較すると肌触りが劣ります。
化学繊維ならではの独特のゴワつきやザラつきがあるため、肌が弱い方にはあまりおすすめできません。
静電気が発生しやすい・火に弱い
ポリエステルは、組み合わせによっては静電気が発生しやすいというデメリットがあります。
特にポリエステルをウールやナイロンなどと組み合わせると強い静電気が発生しやすいので注意が必要です。
静電気を抑えながらポリエステルの衣服を使いたい場合は、綿などと組み合わせるのがおすすめです。
万一作業現場などで静電気が発生すると重大な事故や火災につながってしまう可能性もありますので、作業服の素材選びには十分注意しましょう。
また、ポリエステルは石油を主な原料とする素材ですので、万一火に触れてしまうとすぐに燃えてしまいます。
火のそばで作業をするときなどはポリエステル素材は避けましょう。
綿素材の特徴
綿素材には、通気性や肌触りの良さなど、天然素材ならではの特徴があります。
通気性・吸水性の高さ
綿素材は通気性に優れています。
汗をたくさんかく夏場やスポーツシーンでTシャツを着用する場合は、綿素材を選ぶと蒸れを防いで快適に過ごせるでしょう。
また、綿は吸水性に優れた素材でもあります。
汗をかいたときなどもすぐに水分を吸収してくれるので、インナーや肌に直接触れるTシャツの素材にぴったりです。
綿素材のTシャツは汗を吸って水分を放出するときに気化熱を発生させて温度を下げることができるので、夏場でも涼しく過ごせます。
肌ざわり
綿の特徴のひとつに、他の素材にはないさらりとした柔らかい肌触りがあります。
綿は清涼感のある触り心地で、タオルや肌着など直接肌に触れるものにもよく使われます。
その柔らかさを生かし、大人よりも肌が繊細な赤ちゃんが使うベビー用品にも用いられる素材です。
保温性
保温性の高さも綿素材の特徴の一つです。
綿の断面には空洞がたくさん並んでおり、ここにたくさんの空気を抱え込むことで熱が伝わりにくくなっています。
そのため、冬場でも綿素材の服を着ると体温を外に逃しにくくなり、暖かく過ごせます。
変形・変色しやすい
綿素材には、変形・形崩れを起こしやすいというデメリットがあります。
綿素材がもつたくさんの空洞は、吸水性や保温性を高めてくれる一方で変形しやすさの原因になっています。
洗濯などによって生地に強い力が加わると綿素材の空洞がつぶれ、形状が変わりやすくなってしまうのです。
綿素材の縮みやシワを残さないためには、洗濯ネットや洗濯機のコース選択を見直すなどの対策が必要です。
洗濯したまま放置するとシワがつきやすくなるので、すぐに干す習慣をつけるのも大切です。
また、綿は変色を起こしやすい素材でもあります。
洗濯物に皮脂汚れや洗剤のすすぎ残しなどが残っていた場合、それらが日光に当たると化学変化が起こって変色してしまうことがあるのです。
変色を防ぐためにはすすぎ残し・洗い残しがないよう洗濯をし、直射日光が当たらない場所で保管しましょう。
乾きにくい
綿素材の服は、化学繊維の服と比べると乾きにくいです。
綿素材のメリットの一つに吸水性がありますが、吸水性が高いせいで服に水分を抱え込んだままになってしまい、なかなか乾きません。
冬場などは特に綿素材の服が乾きにくく、干場を圧迫してしまうことも。
とはいえ、綿素材には熱で伸びやすいという特徴もあるので乾燥機の使用などもあまりおすすめできません。
綿素材の特徴についてはこちらの記事もぜひご覧ください!
綿100%のメリットとデメリットとは?天然素材で日常をもっと快適に!
ポリエステルと綿の混紡素材のメリット
ポリエステルと綿にはそれぞれ長所と短所がありますが、素材同士を組み合わせることで互いの短所を補い、着心地の良い素材を作れます。
ここでは、ポリエステルと綿の混紡素材のメリットについてみていきましょう。
ポリエステルと綿の短所を補いあえる
ポリエステルと綿は対照的な素材です。
これらを組み合わせることで、互いの短所を補い合うことができます。
例えば、ポリエステルの手触りの悪さは綿の柔らかい手触りを組み合わせることである程度解消され、綿素材の乾きにくさはポリエステルの速乾性と組み合わせるとそれほど気にならなくなります。
双方の長所を両立できる、理想的な組み合わせであるといえるでしょう。
混合割合で着心地を選べる
混紡素材の長所は、混合の割合で着心地を選べるところです。
着心地を重視したい場合は綿素材を多めに、速乾性を重視したい場合はポリエステルをお目に混合した生地を選ぶことでより快適に過ごせます。
ポリエステルと綿の混紡素材のデメリット
一見万能に思える混紡素材ですが、デメリットも存在します。
混紡素材の短所についても知っておきましょう。
毛玉ができやすい
ポリエステルと綿の混紡素材には、毛玉ができやすいというデメリットがあります。
もともとポリエステルなどの合成繊維は摩擦に弱く毛玉ができやすいという特徴がありますが、ポリエステルと綿の混紡素材は強度が高く、できた毛玉が取れずにずっと残ってしまいやすくなっています。
もし毛玉ができてしまったら、無理に引っ張らずにはさみで慎重に切り落としましょう。
価格がやや高め
ポリエステルと綿の混紡素材は物によってはコストが高く、ポリエステルのみのものや綿だけのものと比較するとやや割高です。
機能性が高いだけあって、値段も少し高めになるということを覚えておきましょう。
ポリエステルと綿の混紡割合の黄金比って?
混紡素材は、素材同士の混合の割合によって性質が変わります。
ポリエステルと綿の混紡の場合も例外でなく、用途によってさまざまな配合率の生地があります。
中でも多くの衣類に採用されるT/C素材の配合率の黄金比は、ポリエステル65%:綿35%であるとされています。
これは、綿が持つメリットである通気性・吸水性と、ポリエステルのメリットである耐久性・シワへの強さが最もよく生かされる割合であるとされています。
ポリエステルと綿の混紡生地が使われている衣類を見つけたら、タグを見て混合率をチェックしてみましょう。
混紡生地の正しいお手入れ方法
繊維同士の短所を補い合う混紡生地は機能的で使い勝手がよい一方で、お手入れ方法には注意が必要です。
混紡生地は2種類以上の繊維を混合している関係で、単独の繊維で作られれている生地よりも毛玉ができやすい、縮みやすいなど、洗濯トラブルを引き起こしやすいポイントがあります。
ここでは、混紡生地の正しいお手入れ方法についてみていきましょう。
洗濯表示をよく見る
混紡生地のお手入れで最も大切なのは、洗濯の前にまず洗濯表示をしっかりチェックするということです。
混紡生地のお手入れ方法は、使われている繊維や混紡の割合によって大きく変わります。
タンブラー感想や水洗いの可・不可、使用する水の温度など、お手入れで注意するべきことはすべて衣類についているタグに記載されています。
面倒でも洗濯表示を確認し、適切なお手入れを心がけましょう。
洗濯ネットを使う
混紡生地には摩擦によって毛玉ができやすいという特徴があります。
できる限り洗濯ネットを使って洗濯しましょう。
洗濯ネットは衣類の大きさに合わせて選び、丁寧に畳んだ衣類を入れましょう。
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まとめ:ポリエステルと綿の混紡生地は機能的!
この生地では、ポリエステルと綿の混紡生地について解説しました。
ポリエステルの速乾性や形状保持性と綿の肌触りや吸湿性を両立する混紡生地は、理想的な素材であると言えるでしょう。
素材の特徴を把握し、日々の衣類選びにぜひ活かして下さいね。
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