最終更新日: 2025年02月19日
ポリエステルとアクリルの混紡ってどんな素材?お手入れのポイントも紹介!
ポリエステルとアクリルの混紡(こんぼう)素材は広く流通していますが、洋服の素材を気にせずに着たり洗濯していたりするという人がほとんどではないでしょうか。
“混紡”と聞くと、お手入れが難しそうなイメージがしますよね。
混紡されている素材の特徴さえおさえておけば、意外と簡単に自宅でお手入れができます。
長く着られるよう、ここではポリエステルとアクリルの混紡について素材の特徴やお手入れのコツについて紹介します。
混紡とは
生地を作る際に、綿やポリエステルといった複数の素材を混ぜることを“混紡”といいます。
異なる素材同士を組み合わせると、それぞれのメリットを活かすことができ、同時にデメリットをカバーすることができるのが最大の特徴です。
また、生地の見た目や風合いに変化をつけることもできたり、高価な素材と性質の似ている別の素材を組み合わせることで、リーズナブルな価格を実現したりすることもできます。
主な例として、肌触りと吸湿性のよい綿と乾きやすいポリエステルの組み合わせや、縮みにくく洗濯しやすいアクリルと保湿性の高いウールの組み合わせが挙げられます。
混紡素材は、組み合わせたそれぞれの素材の割合によって、引き出されるメリットとデメリットが変化します。
そのため、洗濯やアイロンがけといったお手入れをする前には、どのような素材がどのくらいの割合で使われているのかというところまでチェックするようにしましょう。
ポリエステルとアクリルの混紡素材の特徴
混紡素材は、組み合わせた2つの素材のメリットとデメリットを兼ね備えるものであることをみてきました。
では、ポリエステルとアクリルの混紡素材には具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
以下では、メリットとデメリットの2点からポリエステルとアクリルの混紡素材についてまとめましたので、参考にしてみてください。
ポリエステルとアクリルの混紡生地のメリット
ポリエステルとアクリルは、どちらも化学繊維と呼ばれる素材で、その中でも石油を主原料にした合成繊維と呼ばれる種類のものです。
合成繊維は総じて強度が強く、しわや型崩れしにくいのが特徴で、普段のお手入れが簡単というメリットがあります。
また、強くて丈夫、さらにある程度の熱に強いポリエステルと、保湿性が高くふわふわした風合いのアクリルが組み合わさることで、次のようなメリットも生まれます。
・乾きやすい
・肌ざわりがよい
・耐久性があり丈夫
・軽くてあたたかさがある
・カラーバリエーションが豊富
加えて、どちらもカビや害虫、虫食いの影響を受けづらいという特徴があり、保管が簡単にできるのもよく洋服などの生地として使われる大きな理由です。
ポリエステルとアクリルの混紡生地のデメリット
デメリットとなる特徴として、ポリエステルとアクリルは共通して静電気が起きやすい素材であることが挙げられます。
この2つを組み合わせた混紡生地は軽くて保温性があるので冬場に重宝したいところですが、静電気が苦手な人は注意が必要です。
加えて、以下のようなデメリットが考えられます。
・ポリエステルの割合が多いと汗を吸いづらい
・アクリルの割合が多いと毛玉になりやすい
これらのデメリットが気になる場合には、ポリエステルとアクリル以外の素材も混紡されていて、2つの混紡割合が少ない洋服を探してみるといいかもしれません。
ポリエステルとアクリルの混紡素材が使われる衣服の例
ポリエステルとアクリルの混紡素材は、保温性があることと豊富なカラーバリエーションを活かし、色鮮やかな冬服としてフリースやニット、セーター、靴下などに主に使われています。
また、型崩れを避けたいスーツやワイシャツとも相性がいい素材でもあります。
肌に近い層で着るシャツなどの場合には、より着心地のよさを感じられるよう、ポリエステルとアクリルに加え、その他の素材が混紡されていることもあります。
しわになりにくく丈夫なポリエステルと、発色がよく退色しにくいアクリルの組み合わせとなるので、普段着からフォーマル、アウターまで意外と見かけることが多い混紡素材なのです。
よく着る洋服を見てみたら、ポリエステルとアクリルの混紡素材だったという場合も多いでしょう。
リーズナブルでお手入れも簡単なため、普段使いにぴったりの生地だといえます。
ポリエステルとアクリルの混紡は毛玉に注意!
ポリエステルとアクリルの混紡素材の大きな特徴として、毛玉ができやすいことが挙げられます。
新品のときはよくても、繰り返し着ると毛玉が目立ってきてしまいそのまま着なくなったり、すぐに捨ててしまったりしていませんか?
着られない洋服はコスパ的にもよくありません。
毛玉ができる理由や原因、対処法を知ってきれいな状態を長く保つようにしましょう。
毛玉ができやすい理由
生地の繊維の強さが毛玉のできやすさに関係します。
摩擦などの作用を受けると生地を構成する繊維の先が毛羽立ち、それらが束を作って絡み合うことで毛玉になります。
つまり、繊維が強ければ強いほど毛玉ができやすくなってしまうのです。
ポリエステルやアクリルといった合成繊維は、毛玉ができやすいうえに繊維が強いので、一度毛玉ができると落ちずに洋服の表面にとどまり目立ってしまいます。
なお、天然繊維であっても毛玉はできるのですが、繊維の強度が低いので自然と落ちていきます。
毛玉ができる原因
毛玉ができるほとんどの原因は、以下のような場面で起こる摩擦です。
・洋服を着る
・繰り返し同じ洋服を着る
・重ね着やコートを着る
・洗濯時に洋服同士がこすれる
こうしてみると、混紡素材でできた洋服を着たり洗濯したりする以上、毛玉の原因となる摩擦が起こることは避けられないことが分かります。
一度できると気になってしまう毛玉ですが、どうしてもできてしまうものなので、日ごろの保管やお手入れを適切に行って洋服をケアするようにしたいですね。
毛玉のできやすい箇所
洋服のパーツでいうと、よく動かす腕や肩周り、洋服の脇の下、そして袖口に毛玉ができることが多いです。
洋服同士だけではなく、バッグの持ち手やベルトの当たる肩や、意外なところでは車のシートベルトの当たる前身頃も気がついたら毛玉だらけになっている箇所です。
また、リュックサックなどバッグの当たる背中や腰部分といった自分からは見えない部分にもできやすいので、長年着ている洋服がある場合は一度チェックするようにしましょう。
お手入れ方法別おさえておきたいコツ
ポリエステルとアクリルの混紡素材には、それぞれの素材の特徴が組み合わさっています。
混紡の割合によって、どちらの素材に合わせたお手入れが必要かが若干変わってきます。
一着ずつお手入れ方法をきちんと確認することはもちろん、混紡素材の特徴をおおまかに知っておくことで、適切な対処ができます。
きちんとケアすることで長く着られてコスパもよくなりますので、ぜひお手入れのコツをおさえていきましょう。
毛玉とり
ポリエステルとアクリルはどちらも合成繊維の混紡素材になるので、毛玉ができやすい生地です。
一日着た後は、すぐに洋服用ブラシで繊維の絡みを取ると毛玉ができてしまうのを予防できます。
また、気をつけていてもできてしまった毛玉は、つまんで取ることはおすすめしません。
繊維を引っ張ることになり、新たな毛玉ができてしまう原因になるからです。
毛玉とりをするさいには、ハサミで切り取るか毛玉とり機を使うようにしましょう。
特にハサミを使う場合、生地を切ったり穴を開けてしまったりしないように注意してくださいね。
なお、ハサミや毛玉とり機を使っても、繊維を刈り取っていることにはなるので、やりすぎには注意が必要です。
毛玉対策は予防をメインにすることで、お気に入りの洋服を長く着られます。
もっと詳しい毛玉とりの方法が知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
パーカーの毛玉を取り除く方法とパーカーが毛玉にならない方法を一挙解説!
洗濯
洗濯時には裏返して洗濯ネットに入れ、生地へのダメージを軽減することをおすすめします。
また、短時間で洗うのもコツです。
洗濯時に起きてしまう生地の摩擦を軽減し、毛玉の発生を防ぐことができます。
ポリエステルの割合が多い混紡生地だと、速乾性が高いものが多いので、脱水時間が短くてもしっかり乾きます。
ポリエステルとアクリルの混紡素材は丈夫で耐久性がありますが、繰り返し洗濯すると摩耗していきます。
普段のお手入れを少し工夫するだけなので、取り組みやすい方法です。
なお、新品の風合いを保ちたいなら、自宅での洗濯を控えめにしてドライクリーニングに出すのもいいでしょう。
アイロンがけ
ポリエステルもアクリルも高温には弱い素材であり、特にアクリルの割合が多い混紡はアイロンがけのさいに注意が必要です。
実はアイロンのスチーム機能を使用すると、熱に弱いアクリルは縮んでしまいます。
うっかり洋服を縮ませないよう、事前に洗濯表示を確認してからアイロンがけをするようにしてください。
ちなみに、スチーム禁止の表示は「・」(低温マーク)です。
このマークがある混紡素材は、必ず低温~中温程度でアイロンがけをしましょう。
また、必ずあて布をするようにすれば生地を傷めずにアイロンがけができます。
専用のあて布を使ってもいいですし、そのようなものがない場合は家にあるハンカチでも十分使えます。
ポイントは、白い布を使うことです。
あて布に色や柄が入っていると、アイロンによる高熱を受けて混紡素材へ色移りをしてしまうことがあります。
まとめ:ポリエステルとアクリルの混紡は素材のいいとこどりができるのが魅力!
速乾性が高く丈夫なポリエステルと、ふわふわの風合いと豊富なカラーバリエーションのアクリルを組み合わせた混紡素材は幅広い洋服の生地として使用されています。
混紡素材の特徴をおさえた適切なお手入れをして、長く楽しんで着られるようにしてくださいね。
なお、UP-Tではさまざまな混紡素材のTシャツにオリジナルデザインをプリントできるサービスを提供しています。
速乾性や耐久性のあるポリエステルが入った混紡素材なら夏場のイベントやスポーツ、カラーバリエーションが豊富なアクリルの混紡素材ならユニフォームやクラスTシャツなど、着たい場面や季節に合わせてぴったりの素材を選ぶことができます。
混紡素材の特徴を活かした快適なオリジナルTシャツを作成してみてくださいね!
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