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  • 1970-01-01
  • 【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】ドローンじゃない、フライングカメラ。スマホケースに入っちゃう「AirSelfie」始動!-AV Watch

【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】ドローンじゃない、フライングカメラ。スマホケースに入っちゃう「AirSelfie」始動!-AV Watch

ついに出荷開始

 Kickstarterに代表されるクラウドファンディングがブームとなったのは、2014年頃だろうか。多くのガジェットが名乗りを上げ、一定期間内に資金を集めることができたものの、そこから商品が出てこないベンチャーも少なくなかった。

スマホより小さい「AirSelfie」(右)

 そこから我々が学んだのは、設計図と作る資金があるだけではダメで、製品として世に出すためにはまた別のスキルが必要だったということだ。一時期に比べるとベンチャーに対する期待値も下がってきているのかなという気がする。

 クラウドファンディングで資金集めに成功したものの、プロジェクトとして失敗したドローン事業は少なくない。超小型ドローン「ZANO」は、およそ4億円の資金を集めたヨーロッパ最大のKickstarterプロジェクトと言われたもの。だが数百台の製品は出荷したもののまともに飛ばない、カメラ画質がひどいなどとして、2015年に頓挫した。

 ところがそれを遙かに上回る巨大プロジェクトが破綻した。2015年から資金調達を始めおよそ40億円を集めた自撮りドローン「Lily」が、2017年に事業停止した。資金は返金されたようだが、我々は40億円あっても、理想とする自撮りドローンが作れないという現実を目の当たりにすることとなった。

 今回ご紹介するAirSelfieは、スマホケースに収納できるほど小さい自撮り用ドローンとして注目を集めたものの、本当に出るのかどうか半信半疑だった人も多かっただろう。だがCES2017で実際に動作するモデルを出展したことで、発売が待たれていたところだ。

 日本では5月より順次出荷が始まっており、多くの関係者もホッと胸をなで下ろした事だろう。直販サイトでの価格は33,495円から。実際にどういう製品に仕上がっているのか、今回は無事出荷開始されたAirSelfieをテストしてみたい。

小型軽量薄型ボディ

 では実際のモノを見てみよう。極小ドローンといえば、童友社やG-FORCEなどから多くの製品が出ているが、本機のポイントは「薄い」という事だろう。クワッドコプターなのでローターが4つある事は変わりないが、厚さがおよそ1cmの完全平形。このため、スマホケース型の充電器に装着して持ち歩けるというところがポイントである。

小型自撮り専用ドローン「AirSelfie」

 ボディは上下のパーツを貼り合わせた格好になっており、色は艶消しのシルバーだが、上下で微妙に色が違う。サイトでは単純にanodized aluminum(アルマイト)と書いてあるだけで、別々の工場に発注したのかわからないが、表面処理が違うように見える。

ボディは上下の質感が若干違う

 サイズは67.4×94.5×10.6mmの立方体となっており、幅はPlusではないiPhone 6/7とほぼ同じだ。トータル重量は61g。付属品として破損防止用のゴムバンパーが付属しており、これも含めると64gとなる。

破損防止のゴムバンパーが付属

破損しやすい4コーナーをガード

 デフォルトが自撮り(Selfie)するために設定されていることから、カメラは前方ではなく後方に搭載している。まああんまり前後は関係ないといえば関係ないのだが、ロゴの方向からすれば後ろにカメラ、と言えるだろう。

ロゴの向きからすると、後ろ向きにカメラがある

 カメラは500万画素のセンサーで、レンズの視野角は69度。角度は7度下向きに取り付けられており、基本的には人を見下ろす状況で撮影する。静止画解像度は2,592×1,944ピクセルで、動画は1080/30pとなる。

 バッテリーは完全に内蔵されており、交換には対応しない。バッテリ容量は260mAhで、およそ3分の飛行が可能。撮影用メモリーは4GBのmicroSDカードが内蔵されているが、こちらも取り外すことはできない。

 底部には超音波センサーと小型カメラがあり、床面をセンシングすることで高さと位置情報を取る。電源ON/OFFはプッシュ式の小さいスイッチだ。

底部のセンサーと電源スイッチ

 前面にはマイクロUSB端子があり、ここにケーブルを挿すことで充電する。スマホケース型の充電器も付属しており、こちらはバッテリ容量が1,800mAh。単純に割り算すれば、本体を7回ぐらい充電できる事になる。ケースでの充電はおよそ30分だが、10分で50%まで充電できる。

前面にマイクロUSB端子がある

スマホケース型充電器が付属

ケースに本体がすっぽり入る

ケースに格納すれば本体への充電が始まる

 スマホケース型充電器は、オーダー時にスマホの種類を選択できる。現在用意されているのは、iPhone 6、6 Plus、7、7 Plus、Samsung S7 Edge、Google Pixelの6タイプで、公式サイトでのセット価格は33,495円。またスマホケースではなく、単純なバッテリ充電器「Power Bank」とのセットも販売されており、こちらは日本円でおよそ35,565円。スマホケースとのセットで購入した場合、Power Bankを追加で購入する事もできる。その場合の合計は44,457円となる。

 本機のコントロールは、スマートフォンのアプリだけで、ハードウェアのコントローラはない。カメラでの撮影も含め、専用アプリ「AirSelfie」ですべて制御を行なう。

制御アプリの「AirSelfie」

 アプリには3つのコントロールモードがある。自撮りには「Beginner」モードと「Selfie Motion Control」モードが使える。この2つはカメラが後方(自分の方)を向いた状態でコントロールできるようになっている。3つ目の「Standard Control」モードは、カメラを前方に向けた状態でコントロールするよう、コントロールの前後関係が逆になっている。

 スマホと本機は2.4GHzのWi-Fiで接続する。フライトコントロールだけでなく、カメラの映像もFPVできるので、画角を確認しながらの撮影が可能だ。撮影機能としては、タイマー撮影、連写撮影が設定できる。

静止画はセルフタイマーと連写機能が使える

 なお、AirSelfieの重さは61g。人口集中地区や空港周辺等での飛行が制限され、飛行する際には国土交通省等への飛行許可申請が必要となる改正航空法の対象外(規制対象は200g以上)のドローンだ。ただ、飛ばす際には周囲の迷惑にならないよう十分気をつけて欲しい。

意外に短い飛行時間

 では早速飛ばしてみよう。コントロールモードは3種類があるが、やはり最初はBeginnerモードから試すべきだろう。

 手のひらに乗せて本体の電源を入れ、Wi-Fiが繋がったことを確認したら、コントロール画面中央部にある「Slide to take off」のエリアを右にスライドすると、ローターが回り出す。そのまま垂直に投げ上げると、飛び上がる。降ろす時は、本機の下に素早く手のひらを差し込むと、ローターの回転が止まり、手の上にぽとんと落ちてくる。これが基本だ。

ビギナーモードの操作画面